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約68億円の運用に疑惑、背任容疑で前住職告訴検討 名古屋の寺
高野山真言宗の八事山興正寺(名古屋市昭和区)の住職らが19日、名古屋市内で記者会見し、前住職が関わった土地の売却代約138億円のうち約68億円の運用に不審な点があり、背任容疑で前住職らを告訴することを検討していると明らかにした。
会見を開いた添田隆昭住職らによると、前住職は平成24年に寺の土地約6万6千平方メートルを学校法人に売却。売却代金のうち約41億円が寺の関係者が代表取締役を務めたコンサルティング会社(東京都港区)に支払われ、前住職が設立に関わった英国の法人にも約14億円が渡ったとしている。
高野山真言宗の宗務総長も務める添田住職は「多額の金員を流失させたのは許し難い」と述べた。前住職の代理人弁護士は「会見の詳細は把握していないが、理解に苦しむ」と話している。
高野山真言宗は承認を得ずに土地を売却したなどとして前住職を26年に罷免しているが、前住職は興正寺を立ち退いていない。興正寺は名古屋国税局の税務調査を受け、27年3月期までの3年間に約6億5千万円の申告漏れを指摘された。