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【佐川印刷事件】寺院建築に数億円流用か 臨済宗の高僧宅、京都地検が捜索

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【佐川印刷事件】
寺院建築に数億円流用か 臨済宗の高僧宅、京都地検が捜索

 総合印刷会社「佐川印刷」(京都府向日市)の元役員(61)による巨額資金流用事件で、知人男性(55)側に流出した約54億円のうち、数億円が京都府北部の寺院の建物や墓地の建築費に充てられた疑いのあることが26日、分かった。京都地検特別刑事部は同日午前、この寺院の住職(79)の自宅を家宅捜索。運営母体の宗教法人の口座には流出資金計約40億円が入金された可能性もあり、地検は住職から事情を聴くなど詳しく調べる方針。

 住職は、臨済宗の一派で事務を取り仕切る立場の宗務総長を約20年間にわたって務めた高僧。住職の自宅には午前7時ごろ、地検の係官7人が捜索に入り、資料を押収するなどした。

 関係者によると、宗教法人は数年前、京都府京丹波町に寺の別院や墓地の建設を計画。男性は建築費として数億円を提供し、平成22年に本堂や座禅道場を備えた別院が完成した。翌23年5月に営まれた完成記念法要には男性も出席し、墓地の管理も京都市内にある男性側の霊園管理会社に委託されている。

 住職や捜査関係者によると、男性は少なくとも数年前からこの宗教法人名義の口座を管理。佐川印刷側からの流用資金計約40億円をこの口座に入金し、10億円以上を海外に流出させた疑いが浮上している。宗教法人の口座を利用することについて、男性は周囲に「税金の面でメリットがある」などと漏らしていたという。

 元役員による不正流用や男性が法人口座に入金した資金の使い道について、住職は産経新聞の取材に「寺や宗派には一切関係のない話。全く事情を知らない」と話し、自らの関与を否定している。

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